「歴史の授業で習ったから名前くらいは知ってるけど、中身はあまり知らない」
古事記(こじき)について聞かれて、大半の日本人がこう答えるだろう。
では、欧米人に「聖書を知ってますか?」と聞いてみたら、どうだろうか?
「知らない」と答える人はほとんどいないだろう。欧米人(キリスト教圏に住む人々)にとって、聖書という存在は生活に溶け込んでいて、当たり前の存在。子供の頃から、親や学校や近所の教会などから聞かされて、内容について当たり前の様に知っている。聖書を通して、人生観、価値観、歴史観を養い、道徳を学ぶのだ。子供の頃から触れる事で、自然と人格形成のベースとなっている。
そんな欧米人にとっての聖書のような存在が、日本人にも有る。実はそれが「古事記」なのだ。そこには、日本という国の始まり、どうやって日本人が生まれたのか、今も続く天皇家のルーツなどが書かれている。そして何よりも、「日本人らしさ」、「日本人の素晴らしさ」が古事記には表現されているのだ。
なのに、今の日本人は古事記を知らない。日本の神話、日本人のルーツを知らない。日本人が日本人としての誇りを感じれなくなって久しいが、その原因の一つが実はここにある。
第二次世界大戦で敗戦した日本は、アメリカのGHQに統治された。その時、学校における神話の教育は禁止された。日本の神話は天皇崇拝につながり、それが再び軍国主義に走る原因になるからダメ。というのがGHQの言い分。戦勝国にそう言われたら、敗戦国は従うしかない。そしてその時の教育方針が今まで続いてしまっている。だから学校の歴史の授業では、古事記の内容について詳しく教わる事は無い、という訳だ。
だから、教わるのを待たずに自分で調べよう。図書館にも本屋にもネット上にも古事記を解説した情報はたくさん有る。是非日本の神話に触れて欲しい。「人類最初のカップルは?」と聞かれて、「アダムとイブ」ではなく「イザナギとイザナミ」と答える日本人が増えてきたら、日本の未来は明るい。そんな気がするんだよね。
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